手術や治療によって外見が変化することで
                    「周りの人からどう思われるか気になる」
                    「自分ではなくなった気がする」
                    「治療をする気になれない」
                    そんな患者さんのこころの苦痛を軽減するケアのことです。
                    当院では、がんばっている患者さんが自分らしく日常生活を送れるよう、
                    アピアランスケアにも取り組んでいます。
                
外見のケア(アピアランスケア)
脱毛について
Q 抗がん剤は脱毛するのでしょうか
脱毛しない抗がん剤もありますが、乳がん治療に使われる抗がん剤は脱毛するものが多いです。治療開始から2週間程度で脱毛が始まり、1週間程度で髪がなくなることが多いです。治療中に少し生えてくる場合もありますが、終了してしばらくたって生えてくることがほとんどです。戻りかたは人により、半年から一年ほどかかります。
Q 脱毛への備えを教えてください
                            髪が長い方は、抗がん剤が始まる前に短くカットすると、処理がしやすくなります。ただ、短くカットしすぎると、かえって処理が難しくなるので注意してください。
							 あらかじめ、ウィッグやお帽子などを準備しておくと良いでしょう。必ずしも高いものがよいとは限りません。準備やお手入れの仕方は、担当の看護師からご説明します。
							 お住いの自治体によっては費用が補助されることがあります。役所に問い合わせてください。
                        
Q 脱毛が始まってからはどうすればよいですか
家にいる時もお帽子やバンダナをかぶると、髪が床に落ちにくくなります。就寝時に、睡眠をさまたげないようなキャップを使うと、髪が寝具につきにくくなります。洗髪は普通にして構いませんが、爪で頭皮を傷つけないよう気を付けましょう。
Q 抗がん剤による爪への影響について教えてください
                            抗がん剤治療の副作用は爪にも現れます。
							 爪が黒ずんだりオレンジ色に変色すること、爪が薄くなったり表面が凸凹になること、爪が剥がれやすくなること、爪や周囲に痛みを感じること、などがあります。
							 抗がん剤の点滴投与中に手足を冷やすこと、手洗いや入浴後にクリームやオイルを使って保湿すること、マニキュアや液体絆創膏で爪を保護すること、などの対処法があります。
                        
Q 抗がん剤による皮膚への影響を教えてください
- 皮膚に赤いブツブツや斑点が現れることがあります。
 - 日光過敏症といって、お日さまにあたるとかぶれることがあります。
 - 皮膚が乾燥しやすくなり、かゆみやひび割れが生じることがあります。
 - 色素沈着といって、皮ふや爪が黒ずんだり、色が変わることがあります。
 - 手足症候群といって、手のひらや足のうらに痛みや腫れ、発赤や皮ふがむけたりすることがあります。
 
- 入浴後や手洗い後に保湿クリームを使用して、乾燥を防ぐことが推奨されます。
 - 日焼け止めなどで紫外線から保護します。
 - 刺激の少ないスキンケア製品を使用しましょう。かぶれなければ、普段使用している化粧品で大丈夫です。
 - 手足症候群を予防するために、ジクロフェナクナトリウムを含んだ外用薬が有用です。
 
手作りバストパッド
                            乳房切除を受けた方も、胸を張って退院して欲しい。
                            そんな想いから、当院では患者さんおひとりおひとりのバストサイズにあわせて、看護師が手作りで「バストパッド」を作って、退院時にお渡ししています。
                            術後の肌にも自然なように、パンヤ綿を入れて、ひと針ひと針縫っています。